特定事業用資産の特例について 〜その1

特定事業用資産の特例について 〜その1

特定事業用資産の特例とは、一定の要件を満たす者が相続や遺贈、贈与によって取得した一定の資産について、その相続等にかかる相続税の申告期限までの間、引き続きその資産の全てを有している場合には、相続税の課税価額が定められた割合で減額されるものです。

 

この特例を受けることができる者を「特定事業用資産相続人等」と呼びます。
また、上記における一定の資産とは、特定事業用資産と呼ばれるものの中から、この特例の適用を受けるものとして選択した資産をいいます。
これを「選択特定事業用資産」といいます。

 

ただし、被相続人から相続等によって財産を取得したいずれかの人が、被相続人からの贈与によって取得した一定の株式や出資について、特定の贈与者から特定同族株式等の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(租税特別措置法第70条の3の3第1項)または特定同族株式等の贈与を受けた場合の相続時精算課税に係る贈与税の特別控除の特例(租税特別措置法第70条の3の4第1項)の適用を受け、または受けていた場合には、この特例の適用を受けることができませんので注意が必要です。

 

(特定事業用資産の特例の概要)

1.特定事業用資産
・非上場会社の株式または出資

特定事業用資産となるのは、以下の(1)及び(2)の価額の合計額のうち10億円以下の部分となります。
ただし、贈与の時から相続開始の時まで引き続き特定事業用資産相続人等が有しているものに限られます。

 

(1)相続や遺贈によって取得した特定同族会社株式等
{特定事業用資産相続人等}
被相続人から相続や遺贈によって上記の資産を取得した個人で、以下に掲げる全ての要件を満たす者をいいます。

 

@被相続人の親族であること。

 

A相続税の申告期限を経過するときにおいて選択特定事業用資産である特定同族会社株式等に係るすべての法人(清算中の法人を除く)の役員(清算人を除く)であること。

 

B相続開始の時において、選択特定事業用資産である特定同族会社株式等に係るすべての法人について、各法人の発行済株式総数等(議決権制限株式等を除く)の5%上の株式等(議決権制限株式等を除く)を有していること。

 

※・上記の「発行済株式総数等」とは、発行済株式の総数または出資の総額をいい、「株式等」とは、株式または出資をいう。

 

・上記の「議決権制限株式等」とは、法人の株主総会または社員総会において議決権を行使できる事項の全部について制限された租税特別措置法施行規則第23条の2の2第4項または第5項に規定する株式等をいう。

 

<減額割合:10%>

 

(2)贈与(贈与税の申告の際に一定の届出をしたものに限られる)によって取得した特定受贈同族会社株式等
{特定事業用資産相続人等}
被相続人から贈与によって上記の資産を取得した個人で、以下に掲げるすべての要件を満たすものをいいます。

 

@上記の資産に係る相続時精算課税適用者であること。

 

A上記の資産の贈与の時から相続税の申告期限を経過する時までの間の一定期間、選択特定事業用資産である特定受贈同族会社株式等に係るすべての法人の役員(贈与の時において清算人である場合を除く)であること。

 

B以下に掲げるいずれかの要件を満たしていること。

 

(a)贈与の時において、選択特定事業用資産である特定受贈同族会社株式等に係るすべての法人について、各法人の発行済株式総数等(議決権制限株式等を除く)の5%以上の株式等(議決権制限株式等を除く)を有していること。

 

(b)贈与の時において、その個人並びにその個人の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び一親等の姻族が、選択特定事業用資産である特定受贈同族会社株式等に係るすべての法人について、各法人の発行済株式総数等(議決権制限株式等を除く)の25%以上の株式等(議決権制限株式等を除く)を有していること。

 

<減額割合:10%>