相続財産の評価 〜 宅地の評価方法-路線価方式
相続財産は、現金等であれば価値の変動がないことから評価の必要はありませんが、土地や建物といった不動産や株式などは価値が変動する物でありますので、評価を行う必要があります。
そこで、相続開始時点の時価にて評価を行い、相続財産の価額を決めていきます。
以下に、主な相続財産の評価について説明していきます。
(土地の評価の仕方)
1.宅地の評価方法
宅地の評価方法には路線価方式と倍率方式があります。
@路線価方式
路線価とは、簡単に言いますと道路に隣接する宅地の1uあたりの価格のことです。
相続財産の評価のための路線価は、財産評価基準書 路線価図・評価倍率表に表示されており、コチラにて閲覧することができます。
路線価方式で評価できる宅地は、主に市街化区域にある土地となっており、市街化調整区域の場合には路線化が表示されていないことがほとんどです。
逆線引きといいまして、市街化区域から市街化調整区域となってしまった場所につきましては、市街化調整区域であっても路線化が表示されていることがあるようです。
実際の評価に当たっては、路線価額だけでなく、土地の形状等に応じた各種補正を行ってから計算を行います。
路線価方式の評価プロセス
@対象となる宅地の路線価を路線価図にて確認する。
財産評価基準書 路線価図・評価倍率表から該当年分をクリックして都道府県を選択します。
”路線価図”をクリックして、該当する市区町村をクリック、詳細な地名が出てくるので該当するものをクリックします。
路線価図がでてきますので、該当する土地を探し出します。
画面の左上に表示されている路線価図を中心にして、周りの路線価図が選択できるようになっていますので、クリックして大まかな場所を表示させましょう。
大まかな場所が表示できましたら、画面上部にあるズームインボタン(%表示されている横にある+ボタンのこと)を押すと詳細に表示されますので、画面右側及び下側にあるスクロールバーを動かして当該宅地を真ん中に表示させましょう。
小さくて見難い場合には、ズームボタンにて拡大させましょう。400%くらいは問題なく表示できます。
土地に隣接する道路上に、両矢印の間に数字とアルファベットが表示されていることを確認できます。
この数字が路線価となっており、表示単位は千円となっています。
よって200Dとなっていたら、それは20万円のことです。
数字に丸が囲んであったり、数字の後ろにアルファベットがありますが、ここでは関係ありませんので気にしないようにしましょう。
もしも、土地に隣接する道路に路線化が表示されていない場合や、路線価図に土地が載っていない場合には、市街化調整区域であることが考えられますので、路線価方式ではなく倍率方式にて評価を行うことになります。
A各種補正を行う
路線価図の画面左側に、緑色のボタンで”評価明細書・調整率表を見る”というものがありますのでクリックします。
次に真ん中の、”土地及び土地の上に存する権利の評価についての調整率表(平成19年分以降用)”をクリックします。
各種補正項目が表示されます。
奥行価額補正率表
地区の区分と土地の奥行の距離によって、補正率を掛けます。
側方路線価影響加算率表
いわゆる”角地”の場合には加算率を用いて路線価額に一定額を加算します。
角地にも2種類があり、単純に交差点にあるような二つの道路に面している角地と、道路がL字型となっていてその内側にある準角地というものがあります。
二方路線影響加算率表
土地の前後若しくは左右が道路に面している土地の場合にも、角地の場合と同様に加算率を用いて路線価額に一定額を加算します。
不整形地補正率を算定する際の地積区分表
不整形地を補正する際に、土地の広さに応じてABCの3段階に分けて補正することから、この地積区分表にて確認することになります。
不整形地補正率表
地区区分と上記にて算定した地積区分とかげ地割合を用いて補正を行います。
かげ地割合は、(想定整形地の地積−不整形地の地積)÷想定整形地の地積 にて求めることができます。
想定整形地の地積とは、不整形地の全体を囲むことにより長方形や正方形の形にして、整形地となった場合の地積のことです。
間口狭小補正率表
道路との接している部分が狭く、その奥に広い土地があるような物件はよくありますが、この土地は間口狭小な土地として補正されることになります。
補正は、間口距離と地区区分によって補正されます。
奥行長大補正率表
道路から土地の奥行の長さに基づいて、地区区分と奥行距離と間口距離を用いて補正を行います。
がけ地補正率表
評価を行う土地のなかにがけ地がある場合には評価額は減算されることになります。
一般的に傾斜度が30度以上ある場合にはがけ地とされます。
がけ地の方位とがけ地の地積及び総地積をもちいて補正されます。
B計算を行う
一路線に面する宅地のケース
(普通住宅地区、路線価額35万円、間口10m、奥行20m、地積200u、土地の形状は整形地)
路線価350,000円 × 奥行補正1.00 × 奥行長大補正0.98 = 1uあたりの価額343,000円
1uあたりの価額343,000円 × 地積地積200u = 宅地の価額6,860万円
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