労働災害によって死亡した場合の手続き 〜 遺族補償年金

労働災害によって死亡した場合の手続き 〜 遺族補償年金

労働災害とは、業務上発生した災害をいいます。
この労働災害によって被った被害者を救済するために労働者災害補償保険制度があります。
いわゆる”労災(ろうさい)”です。
労働者災害補償保険法は、昭和22年に労働基準法と時同じく制定されたもので、業務上発生した災害について、労働基準法に基づく事業主の災害補償責任をその事業主に代わって実施し、労働者に対して迅速かつ、公正な保護をするため保険給付を行うことを主な目的として制定されました。

 

その保険給付の中に遺族補償年金があります。
遺族補償年金は、業務上の事由によって死亡した場合に、その遺族に対して遺族補償年金を給付されます。
遺族補償年金を受け取ることができるのは、以下の受給資格者のうち最先順位者に対して支給されるものです。

 

(受給資格者)

受給資格者は、労働者が死亡した当時にその者の収入によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹となっています。
しかし、妻以外の遺族の場合は、労働者の死亡当時に一定の高齢若しくは年少である、一定の障害の状態であるといった要件が必要となります。
「労働者が死亡した当時にその者の収入によって生計を維持していた」の解釈としては、もっぱら又は主として労働者に収入によって生計を維持されているということではなく、労働者の収入によって生計の一部を維持していることで足りるということです。
つまり共働き、共稼ぎの状態が該当することになります。

 

遺族補償年金は受給資格者のうち最先順位者に対して支給されるものであり、その順位は以下のとおりとなっています。

@妻または、60歳以上もしくは一定の障害のある夫
A18歳に達する日以後の最初の3月31日までにある子、または一定の障害がある子
B60歳以上、または一定の障害のある父母
C18歳に達する日以後の最初の3月31日までにある孫、または一定の障害のある孫
D60歳以上、または一定の障害のある祖父母
E18歳に達する日以後の最初の3月31日までにあるか、60歳以上、または一定の障害のある兄弟姉妹
F55歳以上60歳未満の夫
G55歳以上60歳未満の父母
H55歳以上60歳未満の祖父母
I55歳以上60歳未満の兄弟姉妹

 

※一定の障害とは、障害等級5級以上の障害をいいます。
※労働者の死亡当時に胎児であった子は、生まれた時から受給資格者となります。
※F〜Iの55歳以上60歳未満の夫、父母、祖父母、兄弟姉妹は、受給資格者となっても60歳になるまでは年金が支給停止されます。
※最先順位者が2人以上いる場合には、その全員がそれぞれ受給権者となります。
 また最先順位者が全員失権したときには、次順位者が受給権者となります。

 

(遺族補償年金の給付額)

遺族補償年金と併せて遺族特別支給金、遺族特別年金が支給されます。

 

 

遺族の数 遺族補償年金 遺族特別支給金 遺族特別年金
1人

給付基礎日額の153日分
(ただし、その遺族が55歳以上の妻又は一定の障害状態にある妻の場合は給付基礎日額の175日分)

300万円

給付基礎日額の153日分
(ただし、その遺族が55歳以上の妻又は一定の障害状態にある妻の場合は給付基礎日額の175日分)

2人 給付基礎日額の201日分 給付基礎日額の201日分
3人 給付基礎日額の223日分 給付基礎日額の223日分
4人以上 給付基礎日額の245日分 給付基礎日額の245日分

 

(遺族補償年金の手続きの方法)

申請書の提出先

事業場を管轄する労働基準監督署

申請期限

労働者が死亡して速やかに行います。
また注意が必要なこととして、労働者が亡くなった日の翌日から5年を経過しますと、時効によって請求する権利が消滅することとなります。

 

遺族補償年金支給申請書
 (クリックすると拡大写真をご覧いただけます)

 

申請書類

@労働者災害補償保険 遺族補償年金支給請求書 遺族特別支給金 遺族特別年金支給申請書
A死亡診断書、死体検案書、検視調書など
B戸籍謄本
C請求人及び他の受給権者が死亡した労働者に生計を維持されていたことが証明できる書類
 (書類としては所得証明書や住民票などがある)
D一定の障害状態にある場合には、それを証明する診断書等
E同一に事由により遺族厚生年金や遺族基礎年金等の支給を受けている場合には、支給額を証明することができる書類